Nature ハイライト
化学:単純な有機系における振動反応
Nature 537, 7622
散逸的な化学反応ネットワークは、平衡から外れて働く系であり、連続的な成分再生や自律的な調節などの特徴を示す。生体細胞は、そうした平衡から外れた化学ネットワークの1つである。これまで、前生物的地球に関係する単純な有機分子を用いて、この種の動的挙動を再現することは不可能であった。今回G Whitesidesたちは、反応ネットワークに組み込むと自己触媒し振動する特徴を示す、数種類の成分からなる相互作用有機種の系を実証している。これらの有機成分は全て、比較的単純であり、反応に酵素の触媒作用を必要としない。
2016年9月29日号の Nature ハイライト
植物遺伝学:イネの高収量に関する遺伝学
構造生物学:細菌細胞壁の完全性のカギとなるSEDSタンパク質
構造生物学:哺乳類のレスピラソーム超複合体の構造
分子画像化法:「PNI」画像として捉えられた共鳴線
化学:単純な有機系における振動反応
地球力学:HIMU海洋島玄武岩の起源
食料安全保障:小規模農家のための作物増収
神経科学:Chd8変異マウスの自閉症様行動
神経科学:予期的渇きを引き起こす神経回路