Nature ハイライト
Cover Story:原子から始める構築:新材料を作る道具として電子顕微鏡を見直す
Nature 539, 7630
走査透過電子顕微鏡法(STEM)の進歩は目覚ましく、近い将来この方法を使って、原子を1つずつ並べて物質を作り出すことができるかもしれないというところにまで到達している。今週号のCommentでは、オークリッジ国立研究所(米国)の画像化法の専門家である、Sergei Kalinin、Albina BorisevichとStephen Jesseがこうした難題をやり遂げる方法の1つについて説明している。STEMでは、試料に電子ビームを通して結晶構造を明らかにするが、ビームによって原子が移動することがある。これは、従来の構造決定では欠点とされてきたが、原子を動かしたい場合には逆に利点となるのである。とはいえ、この技術がうまくいくようにするには、電子ビームを完全に制御できることが必要となるだろう。
2016年11月24日号の Nature ハイライト
パターン形成:齧歯類における異なる縞模様の発生
植物科学:植物での細菌感染の仕組み
細胞微生物学:細菌のAgl–Gltモーターの解明
材料科学:デバイスにすぐにでも応用可能なドープ高分子半導体
材料科学:単層グラフェンが潤滑剤にならない理由
学習と記憶:生体エネルギー不全と記憶
免疫学:腸粘膜でのアポトーシスを起こした細胞のファゴサイトーシス
免疫学:ノンプロフェッショナル食細胞による組織炎症の制御
細胞生物学:Fat1カドヘリンはミトコンドリア機能を制御する
DNA修復:DNAミスマッチの認識