Nature ハイライト
細胞微生物学:細菌のAgl–Gltモーターの解明
Nature 539, 7630
Myxococcus xanthusなどいくつかの桿菌は、鞭毛や繊毛の助けなしに表面をすべるように動く。これらの菌は鞭毛や繊毛の代わりに、最近明らかにされたAgl–Glt装置からの動力ですべり運動を引き起こす。議論の余地はあるものの、Agl–Glt装置は細菌のフォーカルアドヒージョン複合体として機能し、前側の細胞極で集合して後ろ側の細胞極に達すると分散し、細胞を前方へ推進することが示唆されている。今回T Mignotたちは、生物物理学、生化学、モデル化手法を組み合わせて、細菌のフォーカルアドヒージョン部位の詳細な特性を報告している。その結果に基づき、著者たちはAgl–Glt装置および類縁のTol–Exb細菌モーターの動作をモデル化した。彼らは、Agl–Gltモーターとこれに付随する内膜タンパク質が、ペリプラズムの外膜複合体の因子と周期的に相互作用することにより、方向性をもって移動すると提唱している。
2016年11月24日号の Nature ハイライト
パターン形成:齧歯類における異なる縞模様の発生
植物科学:植物での細菌感染の仕組み
細胞微生物学:細菌のAgl–Gltモーターの解明
材料科学:デバイスにすぐにでも応用可能なドープ高分子半導体
材料科学:単層グラフェンが潤滑剤にならない理由
学習と記憶:生体エネルギー不全と記憶
免疫学:腸粘膜でのアポトーシスを起こした細胞のファゴサイトーシス
免疫学:ノンプロフェッショナル食細胞による組織炎症の制御
細胞生物学:Fat1カドヘリンはミトコンドリア機能を制御する
DNA修復:DNAミスマッチの認識