Nature ハイライト
心血管疾患:抗アテローム性動脈硬化作用のシグナル伝達
Nature 540, 7634
Hippoシグナル伝達経路のエフェクターであるYAPとTAZは、機械的刺激のセンサーであることが以前に報告されている。今回Y Huangたちは、これらの分子は血流により生み出される機械力を感知し、アテローム性動脈硬化の病態発現に関与することを示している。アテローム性動脈硬化プラークは血流が乱れた領域に形成される。著者たちは、乱流はYAP/TAZ活性を増大させて炎症誘発性遺伝子の発現を上昇させるが、安定した一方向性のせん断流はインテグリンの活性化を介してYAP/TAZ活性を抑制することを明らかにした。さらに、マウスで内皮細胞特異的YAPノックダウンがアテローム性動脈硬化プラーク形成を妨げることも分かった。本研究は、インテグリン–Gα13–RhoA–YAP経路がアテローム性動脈硬化に対する新たな標的候補であることを示している。
2016年12月22日号の Nature ハイライト
ウイルス学:メタトランスクリプトミクス解析で明らかになった多様性に満ちたウイルスの世界
微生物学:ダイエット後に体重が増える仕組み
がん:転移の有力な機構
物性物理学:量子スピン液体であることが明らかになったYbMgGaO4
超分子化学:100個以上の構成要素からなる自己集合錯体
植物生物工学:化学物質の噴霧による作物の増収
心血管疾患:抗アテローム性動脈硬化作用のシグナル伝達
細胞生物学:mRNAの品質管理
構造生物学:サルモネラのインジェクチソームの詳細な構造
構造生物学:CB1カンナビノイド受容体の構造
構造生物学:活性を持つRNAポリメラーゼIの構造