Nature ハイライト
構造生物学:CB1カンナビノイド受容体の構造
Nature 540, 7634
ヒトのカンナビノイド受容体CB1とCB2はGタンパク質共役受容体(GPCR)で、内在性カンナビノイドや植物のフィトカンナビノイドであるΔ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)への反応を仲介する。これらの受容体は、その調整薬が痛みやてんかん、肥満のような障害を制御して治療に使える可能性があるため、重要な創薬標的となっている。D Rosenbaumたちは今回、阻害薬タラナバントと結合したヒトCB1受容体の結晶構造を決定した。この受容体の細胞外表面は、脂質で活性化される他のGPCRとは異なり、リガンド結合ポケットの重要な部分を形成していることが分かった。ドッキング研究により、このポケットがTHCと適合する仕組みと考えられるものが示された。今回の構造は、有望な治療薬となりそうなカンナビノイド系新規調整薬を探索する創薬の試みを助けるものとなるだろう。
2016年12月22日号の Nature ハイライト
ウイルス学:メタトランスクリプトミクス解析で明らかになった多様性に満ちたウイルスの世界
微生物学:ダイエット後に体重が増える仕組み
がん:転移の有力な機構
物性物理学:量子スピン液体であることが明らかになったYbMgGaO4
超分子化学:100個以上の構成要素からなる自己集合錯体
植物生物工学:化学物質の噴霧による作物の増収
心血管疾患:抗アテローム性動脈硬化作用のシグナル伝達
細胞生物学:mRNAの品質管理
構造生物学:サルモネラのインジェクチソームの詳細な構造
構造生物学:CB1カンナビノイド受容体の構造
構造生物学:活性を持つRNAポリメラーゼIの構造