Nature ハイライト
神経科学:呼吸における機械刺激伝達の役割
Nature 541, 7636
150年ほど前に報告されたヘーリング・ブロイウェル反射は、肺を支配する感覚ニューロン(肺の伸展により活性化される)の働きによって肺の過剰な膨張を防いでいると考えられているが、実際の分子機構や細胞機構については分かっていない。A Patapoutianたちは今回、機械感受性イオンチャネルPiezo2(これまで皮膚の触覚に関係するとされていた)を欠失した成体マウスでは、この反射が起こらないことを見いだした。意外なことに、Piezo2は出生時の最初の肺膨張にも必要であり、このことから機械的シグナルの伝達は、マウスでは新生仔でも成体でも呼吸調節に役割を果たしていることが明らかになった。
2017年1月12日号の Nature ハイライト
がん:食道がんの複雑性
神経科学:呼吸における機械刺激伝達の役割
発生生物学:ヒト胃底オルガノイドの創出
天文学:冥王星の氷面上の新しい剣状地形
フォトニクス:放射連続状態内に閉じ込められた光
進化学:ギンザメ類の位置付け
心血管疾患:心臓再生に関連する低酸素経路
分子生物学:「非コード」RNAの産物であるSPARポリペプチド
がん:SPNS2タンパク質は転移を調節する
構造生物学:リボスイッチRNAの反応状態の構造