Nature ハイライト
分子生物学:「非コード」RNAの産物であるSPARポリペプチド
Nature 541, 7636
長鎖非コードRNA(lncRNA)は定義上、タンパク質に翻訳されないはずである。しかし、この規則にはいくつかの例外があり、lncRNAから生じるこの興味深いポリペプチドの生物学的機能への関心が高まっている。今回、P Pandolfiたちは、そのようなポリペプチドを1つ発見し、その機能の特徴付けを行って、SPAR(small regulatory polypeptide of amino acid response)と命名した。SPARは、細胞内では、後期エンドソーム/リソソームに局在して、リソソームのv-ATPアーゼと相互作用して、アミノ酸によるmTORC1活性化を負に調節することが分かった。個体レベルでは、SPARは一部の組織で高発現している。しかし著者たちは、SPARノックアウトマウスが傷を負った際、SPARがmTORC1依存的に筋肉の再生を特異的に調節することを見いだした。
2017年1月12日号の Nature ハイライト
がん:食道がんの複雑性
神経科学:呼吸における機械刺激伝達の役割
発生生物学:ヒト胃底オルガノイドの創出
天文学:冥王星の氷面上の新しい剣状地形
フォトニクス:放射連続状態内に閉じ込められた光
進化学:ギンザメ類の位置付け
心血管疾患:心臓再生に関連する低酸素経路
分子生物学:「非コード」RNAの産物であるSPARポリペプチド
がん:SPNS2タンパク質は転移を調節する
構造生物学:リボスイッチRNAの反応状態の構造