Nature ハイライト
天文学:冥王星の氷面上の新しい剣状地形
Nature 541, 7636
探査機ニューホライズンズによる観測から、冥王星の表面にさまざまな地形があることが明らかになっている。こうした地形の中で最も興味深いのは、この準惑星のタルタロス・ドルサ(Tartarus Dorsa)領域の「剣状」地形である。地球のアンデス山脈などの山岳地帯の高地で見られる、ニエベス・ペニテンテス(nieves penitentes;あるいは単にペニテンテス)と呼ばれる硬くて細長い雪の形成物のような類似構造との比較に基づいて、冥王星のこうした地形を形成し得る起源がいくつか提案されている。J Mooresたちは今回、ペニテンテスが深くなることで、タルタロス・ドルサの地形において観測された三方向の配向と間隔が再現されたとするシミュレーション結果を報告している。冥王星のペニテンテスは現在、1軌道周期ごとに約1 cm深くなり、成長するのは気圧の高い期間のみであることから、その形成時間スケールは数千万年と示唆される。
2017年1月12日号の Nature ハイライト
がん:食道がんの複雑性
神経科学:呼吸における機械刺激伝達の役割
発生生物学:ヒト胃底オルガノイドの創出
天文学:冥王星の氷面上の新しい剣状地形
フォトニクス:放射連続状態内に閉じ込められた光
進化学:ギンザメ類の位置付け
心血管疾患:心臓再生に関連する低酸素経路
分子生物学:「非コード」RNAの産物であるSPARポリペプチド
がん:SPNS2タンパク質は転移を調節する
構造生物学:リボスイッチRNAの反応状態の構造