Nature ハイライト
進化学:ギンザメ類の位置付け
Nature 541, 7636
ギンザメ類、すなわち全頭亜綱は、軟骨魚類の主要な分類群であり、サメ類やエイ類と類縁とされている。しかし、ギンザメ類の外観が非常に特徴的であり、進化的な状況における位置付けが困難なため、その類縁関係は不明瞭である。ギンザメ類の眼は、眼窩が脳の形をゆがめてしまうほどに大きく、奇妙で特徴的な歯を持つ。M Coatesたちは今回、南アフリカで発見されたペルム紀の絶滅軟骨魚類Dwykaselachusの脳頭蓋に関する研究結果を報告している。頭蓋の外側はシムモリウム目として知られる先史時代のサメ類に似ているが、コンピューター断層撮影法による解析の結果、その脳頭蓋はギンザメ類に特徴的な形態をしていることが明らかになった。これは、ギンザメ類が、かつては非常に一般的で、広範囲に生息していたシムモリウム目の内部に位置付けられ、デボン紀までさかのぼるシムモリウム目の長い進化期間の末期を代表するものであることを意味している。
2017年1月12日号の Nature ハイライト
がん:食道がんの複雑性
神経科学:呼吸における機械刺激伝達の役割
発生生物学:ヒト胃底オルガノイドの創出
天文学:冥王星の氷面上の新しい剣状地形
フォトニクス:放射連続状態内に閉じ込められた光
進化学:ギンザメ類の位置付け
心血管疾患:心臓再生に関連する低酸素経路
分子生物学:「非コード」RNAの産物であるSPARポリペプチド
がん:SPNS2タンパク質は転移を調節する
構造生物学:リボスイッチRNAの反応状態の構造