Nature ハイライト
構造生物学:リボスイッチRNAの反応状態の構造
Nature 541, 7636
ナノ結晶構造解析では動態についての手掛かりが得られると考えられてきたが、この予想は今、現実になりつつある。Y Wangたちは今回、フェムト秒X線自由電子レーザー(XFEL)結晶解析法を使って、グラム陰性桿菌であるVibrio vulnificusのアデニンリボスイッチのリガンド結合ドメイン(アプタマードメイン)の動的変化を調べた。そして、少なくとも4つの状態、つまりリガンド結合前のアポ型の構造2つとリガンドが結合した状態2つをリアルタイムで明らかにした。これらの結果から、リガンドの結合によりP1ヘリックスを介してシグナルが伝達される仕組みを示す速度論的スキームがモデル化された。時間分解連続結晶解析技術により、結晶中で起こる大規模なコンホメーション変化を捉えることが可能になったのである。
2017年1月12日号の Nature ハイライト
がん:食道がんの複雑性
神経科学:呼吸における機械刺激伝達の役割
発生生物学:ヒト胃底オルガノイドの創出
天文学:冥王星の氷面上の新しい剣状地形
フォトニクス:放射連続状態内に閉じ込められた光
進化学:ギンザメ類の位置付け
心血管疾患:心臓再生に関連する低酸素経路
分子生物学:「非コード」RNAの産物であるSPARポリペプチド
がん:SPNS2タンパク質は転移を調節する
構造生物学:リボスイッチRNAの反応状態の構造