Nature ハイライト

構造生物学:リボスイッチRNAの反応状態の構造

Nature 541, 7636

ナノ結晶構造解析では動態についての手掛かりが得られると考えられてきたが、この予想は今、現実になりつつある。Y Wangたちは今回、フェムト秒X線自由電子レーザー(XFEL)結晶解析法を使って、グラム陰性桿菌であるVibrio vulnificusのアデニンリボスイッチのリガンド結合ドメイン(アプタマードメイン)の動的変化を調べた。そして、少なくとも4つの状態、つまりリガンド結合前のアポ型の構造2つとリガンドが結合した状態2つをリアルタイムで明らかにした。これらの結果から、リガンドの結合によりP1ヘリックスを介してシグナルが伝達される仕組みを示す速度論的スキームがモデル化された。時間分解連続結晶解析技術により、結晶中で起こる大規模なコンホメーション変化を捉えることが可能になったのである。

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