Nature ハイライト
分子生物学:m6Amは新たなエピトランスクリプトーム標識である
Nature 541, 7637
最近の研究によって、アデノシンへのメチル基付加(m6A)などの可逆的修飾が持つRNA機能への役割が注目されている。S Jaffreyたちは今回、特定のmRNAにおいて、5′末端の7-メチルグアノシンキャップ構造の隣に位置するジメチル修飾された塩基(m6Am)が、mRNA脱メチル化酵素DCP2を介した脱キャップ化を防ぐことにより、mRNAの安定性に正の影響を与えることを明らかにしている。この修飾自体は、脱メチル化酵素であるFTO(fat mass and obesity-associated protein)により調節され、FTOはm6Aよりもm6Amへの親和性を示す。今回の研究により、体重制御に関連することが知られているFTOの生物学的重要性に関する知見が得られた。
2017年1月19日号の Nature ハイライト
材料科学:再構成可能に構造設計された材料が形になる
微生物学:真核生物の性質を持つアーキア
がん:限局性前立腺がんのゲノミクス
分子生物学:m6Amは新たなエピトランスクリプトーム標識である
量子光学:中赤外のスクイーズド光
生物地球化学:リン制限の歴史
進化学:バージェス頁岩に由来する、殻を持ったヒオリテス類
遺伝学:遺伝的多様性と胚発生
ウイルス学:ピコルナウイルスの複製におけるPLA2G16の役割
細胞生物学:誘導されたオートファジーは腫瘍のプログレッションを促す