Nature ハイライト
量子光学:中赤外のスクイーズド光
Nature 541, 7637
量子光学分野における基本的技術の1つは、光場の振幅と位相のどちらか一方のゆらぎが少なくとも真空極限以下になるスクイーズド光の生成である。これらの変数の一方のゆらぎは、もう一方を犠牲にすることで小さくでき、ハイゼンベルクの不確定性の限界に近づけることができる。こうした光のスクイーズド状態は、量子情報システムや、重力波検出器を含む高精度計測にかなり重要である。今回A Leitenstorferたちは、過渡的な中赤外光場中にスクイーズド光を生成し、数フェムト秒レーザーパルスによって量子ゆらぎを時間領域で直接検出し、この領域における興味深い新たな方向性を示している。彼らは、隣接する時間領域において、スクイーズドした量子ゆらぎと増大した量子ゆらぎを観測することに成功した。既存の量子検出法とは対照的に、この手法では、量子特性を、増幅したり変化させたりすることなく評価できる。
2017年1月19日号の Nature ハイライト
材料科学:再構成可能に構造設計された材料が形になる
微生物学:真核生物の性質を持つアーキア
がん:限局性前立腺がんのゲノミクス
分子生物学:m6Amは新たなエピトランスクリプトーム標識である
量子光学:中赤外のスクイーズド光
生物地球化学:リン制限の歴史
進化学:バージェス頁岩に由来する、殻を持ったヒオリテス類
遺伝学:遺伝的多様性と胚発生
ウイルス学:ピコルナウイルスの複製におけるPLA2G16の役割
細胞生物学:誘導されたオートファジーは腫瘍のプログレッションを促す