Nature ハイライト
ウイルス学:意思決定のためのウイルス間コミュニケーション
Nature 541, 7638
細菌は、シグナル伝達分子の分泌によって集団密度を感知し、それに応じて自己のふるまいを調節している。R Sorekたちは今回、この細菌間コミュニケーション系を探索中に、細菌に感染するウイルスであるファージの一部が、同じファージに先に感染した細胞から分泌されたペプチドを感知しており、またこれらのペプチドがファージ遺伝子にコードされているという、興味深い発見をした。こうしたファージは、ペプチドが一定の閾値を超えると、宿主を死滅させる溶菌サイクルから、宿主を死滅させない溶原サイクルへと切り替わる。これは、ウイルス間のコミュニケーション系としては初めての報告である。
2017年1月26日号の Nature ハイライト
神経科学:反応性アストロサイトの生成と役割
ウイルス学:意思決定のためのウイルス間コミュニケーション
細胞生物学:翻訳の調節異常と腫瘍プログレッション
構造生物学:CLCファミリーイオンチャネルの構造
物理学:レーザー光が反物質に光を当てる
地球科学:気温が陸域の炭素シンクの変化を駆動する
惑星科学:地球の構成要素の同位体組成
惑星科学:地球のレイトベニアの起源
幹細胞:Hippoキナーゼとヒト乳腺細胞の運命
分子生物学:リボソーム停止時に翻訳を終結させる機構