Nature ハイライト
分子生物学:リボソーム停止時に翻訳を終結させる機構
Nature 541, 7638
リボソームがメッセンジャーRNA(mRNA)上で停止してしまったときには、リボソームが再利用できるよう、翻訳を終わらせなければならない。停止してしまう要因の1つは、終止コドンの欠如である。細菌は複数の救済系を持ち、そのうちの1つではArfAタンパク質が使われる。D Wilson、N GaoおよびH Jinの各研究グループがそれぞれ独立に、ArfA、終結因子RF2、終止コドンのない状況のmRNAと(Gaoたちは、さらにP部位tRNAとも)複合体を形成した細菌のリボソームの構造を決定した。それにより、ArfAのC末端がmRNAの進入チャネルに入る一方で、N末端がRF2を引き寄せ、終止コドンがなくてもRF2の活性なコンホメーションを安定化することが明らかになった。
2017年1月26日号の Nature ハイライト
神経科学:反応性アストロサイトの生成と役割
ウイルス学:意思決定のためのウイルス間コミュニケーション
細胞生物学:翻訳の調節異常と腫瘍プログレッション
構造生物学:CLCファミリーイオンチャネルの構造
物理学:レーザー光が反物質に光を当てる
地球科学:気温が陸域の炭素シンクの変化を駆動する
惑星科学:地球の構成要素の同位体組成
惑星科学:地球のレイトベニアの起源
幹細胞:Hippoキナーゼとヒト乳腺細胞の運命
分子生物学:リボソーム停止時に翻訳を終結させる機構