Nature ハイライト
構造生物学:CLCファミリーイオンチャネルの構造
Nature 541, 7638
CLCタンパク質の一部は塩化物イオン(Cl−)を受動的に伝導するチャネルだが、それら以外は1個のH+を2個のCl−と交換する能動共輸送体である。共輸送体タンパク質とチャネルタンパク質の高い配列相同性を考えると、この機能の違いを解釈することは難しいとされてきた。今回R MacKinnonたちは、哺乳類のCLCチャネルであるCLC-Kの構造を低温電子顕微鏡法を用いて決定した。CLC-Kでは、Cl−の通路の細胞質側の狭窄部がCLC輸送体と比べると広くなっていて、そのために速度論的障壁が低くなり、Cl−が電気化学的勾配に従って速やかに流れることが可能であると分かった。
2017年1月26日号の Nature ハイライト
神経科学:反応性アストロサイトの生成と役割
ウイルス学:意思決定のためのウイルス間コミュニケーション
細胞生物学:翻訳の調節異常と腫瘍プログレッション
構造生物学:CLCファミリーイオンチャネルの構造
物理学:レーザー光が反物質に光を当てる
地球科学:気温が陸域の炭素シンクの変化を駆動する
惑星科学:地球の構成要素の同位体組成
惑星科学:地球のレイトベニアの起源
幹細胞:Hippoキナーゼとヒト乳腺細胞の運命
分子生物学:リボソーム停止時に翻訳を終結させる機構