Nature ハイライト
Cover Story:キヌアのゲノム:塩基配列で未来の作物をおいしくする
Nature 542, 7641
表紙は、ペルーの高地でキヌアを脱穀している女性たちである。今回M Testerたちは、幅広い環境条件下で栽培できる栄養価の高い作物キヌア(Chenopodium quinoa)の参照ゲノムについて報告している。ロングリード塩基配列解読と、光学地図、染色体接触地図、遺伝子地図を併用して、異質四倍体ゲノムの高品質アセンブリが得られた。著者たちは、他の二倍体および四倍体のアカザ属(Chenopodium)種についてもゲノム塩基配列を解読し、キヌアの遺伝的多様性とサブゲノム進化の特徴を調べた。その過程で、キヌアの苦みの原因物質であるサポニン類の生合成を調節する転写因子や、甘い実用品種の開発に利用できる可能性のあるマーカーが同定された。
2017年2月16日号の Nature ハイライト
幹細胞:乳腺幹細胞の動態
構造生物学:スプライソソームC*複合体の構造
材料科学:シリコンで赤外光を検出
気候科学:氷床のハインリッヒイベントのモデル化
気候科学:海洋の酸素の減少
進化学:鳥類のくちばし形状の進化
健康科学:早期脳過成長から自閉症スペクトラム障害を予測できる
生化学:EPRSは脂肪症と老化に影響を及ぼす
がん:膵臓がんで間葉系細胞亜集団を抑制する
構造生物学:mitofusinの構造から得られたミトコンドリア融合の手掛かり