Nature ハイライト
進化学:鳥類のくちばし形状の進化
Nature 542, 7641
生物学的多様性は何によって形作られているのだろうか。今回、2000種を超す鳥類の研究から、くちばしの形状の多様性は、鳥類の進化がより沈静化した状態に落ち着く以前の初期段階に拡大したことが示され、ダーウィンの「くさび」式の自然淘汰説が支持された。しかし意外だったのは、このパターンが時間的変動とは連動していないことで、初期の進化の速度はその後の進化とさほど変わらなかった。また、系統樹の枝に沿って進化速度が急上昇した例がいくつか発見され、こうした例では極端なくちばし形態を持つ種数のごく少ないクレードが生じていたことが分かった。
2017年2月16日号の Nature ハイライト
幹細胞:乳腺幹細胞の動態
構造生物学:スプライソソームC*複合体の構造
材料科学:シリコンで赤外光を検出
気候科学:氷床のハインリッヒイベントのモデル化
気候科学:海洋の酸素の減少
進化学:鳥類のくちばし形状の進化
健康科学:早期脳過成長から自閉症スペクトラム障害を予測できる
生化学:EPRSは脂肪症と老化に影響を及ぼす
がん:膵臓がんで間葉系細胞亜集団を抑制する
構造生物学:mitofusinの構造から得られたミトコンドリア融合の手掛かり