Nature ハイライト

神経科学:脳内で音をマッピングする

Nature 543, 7647

空間的ナビゲーションについての研究から、海馬で物理的空間が地図様に表現されている様子が詳細に報告されているが、この空間表現が、音など他の連続変数を符号化する、より一般的な機構の一部なのかどうかは分かっていない。今回D Tankたちは、連続的な周波数の音の出力をジョイスティックで操作する課題をラットに行わせ、その間の海馬ニューロンの活動を記録した。ニューロン群は、この課題中の全局面を符号化しており、特定の周波数の音に反応して別個の発火領域を形成した。音の高低軸を表現する海馬細胞は、ナビゲーション中に空間位置を表現する細胞と重複していた。著者らは、ナビゲーションの際に使われる機構と類似した神経表現機構が、より広範な認知プロセスで諸変数を符号化している可能性があると示唆している。

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