Nature ハイライト
神経科学:脳内で音をマッピングする
Nature 543, 7647
空間的ナビゲーションについての研究から、海馬で物理的空間が地図様に表現されている様子が詳細に報告されているが、この空間表現が、音など他の連続変数を符号化する、より一般的な機構の一部なのかどうかは分かっていない。今回D Tankたちは、連続的な周波数の音の出力をジョイスティックで操作する課題をラットに行わせ、その間の海馬ニューロンの活動を記録した。ニューロン群は、この課題中の全局面を符号化しており、特定の周波数の音に反応して別個の発火領域を形成した。音の高低軸を表現する海馬細胞は、ナビゲーション中に空間位置を表現する細胞と重複していた。著者らは、ナビゲーションの際に使われる機構と類似した神経表現機構が、より広範な認知プロセスで諸変数を符号化している可能性があると示唆している。
2017年3月30日号の Nature ハイライト
材料科学:結晶のエネルギー–構造–機能マップ
海洋保全:海を守るには人員が必要
神経科学:マウスと記憶を解読
がん:脂質代謝に関わる腫瘍抑制因子
惑星科学:木星と同じ軌道を逆行する小惑星
化学:光を発する鉄
環境科学:食料の国際貿易によって水が枯渇する
神経科学:脳内で音をマッピングする
腫瘍免疫学:腫瘍ネオアンチゲンが明らかに
がん:遺伝子融合タンパク質を2種類の薬の標的にする