Nature ハイライト
がん:遺伝子融合タンパク質を2種類の薬の標的にする
Nature 543, 7647
BCR–ABL1変異を標的とする現行の阻害剤はこれまでに多くの命を救ってきたが、抵抗性をもたらす変異のために適用範囲が限られている。今回、ABLの新しいアロステリック阻害剤ABL001の詳しい性質が調べられた。ABL001は、BCR–ABLが原因の悪性腫瘍で新しい機構で酵素活性を阻害するので、抵抗性が生じている症例にも使用できる可能性がある。著者たちは、この薬の効力と抵抗性出現の機序が他のBCR–ABLキナーゼ阻害剤とは重複しないことを指摘している。
2017年3月30日号の Nature ハイライト
材料科学:結晶のエネルギー–構造–機能マップ
海洋保全:海を守るには人員が必要
神経科学:マウスと記憶を解読
がん:脂質代謝に関わる腫瘍抑制因子
惑星科学:木星と同じ軌道を逆行する小惑星
化学:光を発する鉄
環境科学:食料の国際貿易によって水が枯渇する
神経科学:脳内で音をマッピングする
腫瘍免疫学:腫瘍ネオアンチゲンが明らかに
がん:遺伝子融合タンパク質を2種類の薬の標的にする