Nature ハイライト

Cover Story:惑星のホットスポット:多くの恒星より高温な、木星に似た世界

Nature 546, 7659

A型星であるKELT-9(左)とその近傍を周回する巨大ガス惑星KELT-9b(右)の想像図。
A型星であるKELT-9(左)とその近傍を周回する巨大ガス惑星KELT-9b(右)の想像図。 | 拡大する

Credit: NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (IPAC)

表紙は、大質量星KELT-9の軌道を回る木星に似た巨大ガス惑星KELT-9bの想像図である。今回S GaudiとK Stassunたちは、KELT-9bの発見について報告しており、この惑星がこれまで確認された太陽系外惑星の中で最も温度の高いものの1つであることを明らかにしている。その昼側の表面温度は約4600 Kで、大半の恒星より高く、大気を蒸発させ、あらゆる分子を構成原子に解離するのに十分なほど高い。この惑星の質量は、木星の約3倍だが、密度は木星の半分しかない。さらに、この惑星は、中心星の周りを約1.5日で回っており、高レベルの紫外線放射を常に受けているため、彗星によく似た物質の尾を放出している可能性がある。KELT-9bの大気の損失率は大きく、中心星が成長してこの惑星を先に飲み込んでしまわないと仮定するならば、中心星の寿命が尽きる前に惑星の大気が消失してしまう可能性がある。KELT-9bは、高温のA型星を回っていることが分かった「ホットジュピター」としてはまだ7番目であり、大質量星の周りの惑星系の理解を深めるのに役立つはずだと、著者たちは述べている。

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