Nature ハイライト
がん:エキソソームによる膵臓でのKRAS標的化
Nature 546, 7659
KRAS変異体は膵臓がんのよく見られるドライバーであり、その発現を短鎖干渉RNA(siRNA)によって低下させることは膵臓腫瘍の増殖をくい止める戦略になる可能性がある。今回R Kalluriたちは、siRNAの膵臓への送達を改善するためにエキソソームを利用し、これらの内因性小胞が、人工リポソームよりもうまく免疫クリアランスを回避できることを示している。こうした回避は、エキソソーム膜上のCD47の発現によると考えられる。siRNAを組み込んだエキソソーム(iExosome)は膵臓の腫瘍細胞に選択的に取り込まれ、この取り込みはマクロピノサイトーシスの亢進によって促進されることが示唆された。iExosomeによる治療は、膵臓がんの複数のマウスモデルで発がん性のKRASシグナル伝達の減少および腫瘍増殖の抑制につながった。
2017年6月22日号の Nature ハイライト
気候科学:火山噴火が暴くエアロゾルと雲の相互作用
視覚:眼全体で動きを符号化する
がん:エキソソームによる膵臓でのKRAS標的化
構造生物学:ヒト多剤輸送体の構造
量子物理学:二体相互作用を観察する
病原性細菌:マンノシドで尿路感染症を減らす
発生生物学:培養皿で肝臓を育てる
神経炎症:ループスの神経症状の陰にミクログリア
がん:がん抑制におけるBAP1の新規な役割
がん:がん細胞でのアポトーシスを手助けする