Nature ハイライト
神経炎症:ループスの神経症状の陰にミクログリア
Nature 546, 7659
全身性エリテマトーデス(SLE)は、難治性の自己免疫疾患であり、SLE患者のおよそ4分の3で何らかの神経精神症状が見られる。しかし、これらの神経症状の基盤となる機構については分かっていない。M Carrollたちは今回、複数のSLEマウスモデルにおいて、ミクログリア由来のI型インターフェロンが、神経症状や行動表現型と関連する中枢神経系のシナプス消失を促す証拠を示している。ミクログリアを介したシナプス消失は、中枢神経系ループスでの認知機能低下の原因となっている可能性があり、今回の研究結果はこの疾患の新たな治療選択肢を提示しているかもしれない。
2017年6月22日号の Nature ハイライト
気候科学:火山噴火が暴くエアロゾルと雲の相互作用
視覚:眼全体で動きを符号化する
がん:エキソソームによる膵臓でのKRAS標的化
構造生物学:ヒト多剤輸送体の構造
量子物理学:二体相互作用を観察する
病原性細菌:マンノシドで尿路感染症を減らす
発生生物学:培養皿で肝臓を育てる
神経炎症:ループスの神経症状の陰にミクログリア
がん:がん抑制におけるBAP1の新規な役割
がん:がん細胞でのアポトーシスを手助けする