Nature ハイライト

がん:がん細胞でのアポトーシスを手助けする

Nature 546, 7659

アポトーシスへの抵抗性は、がん細胞の特徴の1つであり、がんの持久性の一因となっている。ミトコンドリアでのカルシウム過負荷は、アポトーシスを促進する刺激である。今回、小胞体からミトコンドリアへのカルシウム放出を制御する経路が詳細に調べられた。小胞体膜に存在するIP3受容体であるIP3R3は、小胞体からのカルシウム放出を促進する。IP3R3はFXBL2による分解の標的であり、この分解がミトコンドリアへのカルシウム流入量を制限している。がん抑制因子PTENは、IP3R3への結合をFXBL2と競合する。PTENが存在しないとIP3R3の分解が増加し、カルシウムの流入量によって誘発されるアポトーシスが制限される。IP3R3レベルの回復は、アポトーシスを誘導するがん治療の効果を高める可能性がある。

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