Nature ハイライト
がん:がん抑制におけるBAP1の新規な役割
Nature 546, 7659
BAP1はがん抑制因子であり、ぶどう膜黒色腫や中皮腫などのいくつかの悪性腫瘍ではBAP1に生殖系列変異が見られる。BAP1のがん抑制活性は、核内でBAP1が担うゲノムの完全性を維持する役割によるものとされてきた。今回、BAP1が小胞体で果たす新しい役割が明らかにされ、小胞体のBAP1はカルシウムの流量を調節して、アポトーシスの実行を促すことが分かった。BAP1の機能が失われると、DNA損傷の蓄積した形質転換細胞でアポトーシスが妨げられる。この結果は、環境からの発がん作用に対するがん抑制因子という、BAP1の新しい役割を明らかにしている。
2017年6月22日号の Nature ハイライト
気候科学:火山噴火が暴くエアロゾルと雲の相互作用
視覚:眼全体で動きを符号化する
がん:エキソソームによる膵臓でのKRAS標的化
構造生物学:ヒト多剤輸送体の構造
量子物理学:二体相互作用を観察する
病原性細菌:マンノシドで尿路感染症を減らす
発生生物学:培養皿で肝臓を育てる
神経炎症:ループスの神経症状の陰にミクログリア
がん:がん抑制におけるBAP1の新規な役割
がん:がん細胞でのアポトーシスを手助けする