Nature ハイライト
光物理学:高速通信のためのエンタングルしたキューディット
Nature 546, 7660
キュービットは、ビットの量子版であり、2レベル量子系で構成されるが、量子情報プロセッサーは、原理的にはより高次の量子系を演算に利用できる可能性がある。こうした任意の数のレベルを有する量子系はキューディットと呼ばれることが多く、例えば光子から生成できる。キュービットの代わりにキューディットを用いることで、量子画像化の感度の向上や、量子通信方式の強化が可能になる。今回M Kuesたちは、四波混合過程を用いて、集積フォトニックチップ上で2つのエンタングルしたキューディットを生成している。各キューディットが10次元状態をエンコードしているため、100次元の量子系を実現できる。この手法は、光ファイバー量子通信に応用できる可能性がある。
2017年6月29日号の Nature ハイライト
神経科学:空腹による感覚の偏り
構造生物学:準備万全状態のスプライソソームを可視化
光物理学:高速通信のためのエンタングルしたキューディット
材料科学:波を生み出す液晶膜
進化学:四肢類系統樹の基部がより複雑に
感染症:人獣共通感染症ウイルスの分布パターン
微生物学:模倣で広がるポックスウイルス
免疫学:パーキンソン病の免疫要因候補
免疫学:腸内ウイルスから防御するインフラマソーム
がん:転移の際に起こるリンパ管新生の画像化