Nature ハイライト
免疫学:パーキンソン病の免疫要因候補
Nature 546, 7660
パーキンソン病の重要な病理学的特徴は、運動に関連する脳領域である黒質でのニューロンの細胞死と、ニューロン内のα-シヌクレイン凝集体の存在である。一方、遺伝学的研究によって、パーキンソン病と主要組織適合遺伝子複合体の対立遺伝子とが関連付けられている。今回D Suzlerたちは、α-シヌクレイン由来であることが明確な一群のペプチドが、パーキンソン病患者から得たT細胞で特異的な免疫応答を誘導できることを明らかにしている。この結果は、パーキンソン病の発症に、CD4+ T細胞やCD8+細胞傷害性T細胞などの免疫要因が存在する可能性を示唆していて、報告されているパーキンソン病と獲得免疫系対立遺伝子との関連性を説明すると考えられる。
2017年6月29日号の Nature ハイライト
神経科学:空腹による感覚の偏り
構造生物学:準備万全状態のスプライソソームを可視化
光物理学:高速通信のためのエンタングルしたキューディット
材料科学:波を生み出す液晶膜
進化学:四肢類系統樹の基部がより複雑に
感染症:人獣共通感染症ウイルスの分布パターン
微生物学:模倣で広がるポックスウイルス
免疫学:パーキンソン病の免疫要因候補
免疫学:腸内ウイルスから防御するインフラマソーム
がん:転移の際に起こるリンパ管新生の画像化