Nature ハイライト
免疫学:腸内ウイルスから防御するインフラマソーム
Nature 546, 7660
ロタウイルスは、幼児に、重篤で致命的となることも多い消化器疾患を引き起こす。このような腸内ウイルスが、in vivoで検出および抑制される機構は、ほとんど分かっていない。R Flavellたちは今回、インフラマソームの受容体であるNlrp9が、RNAヘリカーゼDhx9を介して二本鎖ウイルスRNAと相互作用することにより、腸内ウイルスから防御する仕組みを報告している。こうした相互作用は、感染細胞のガスダーミンD依存性ピロトーシス細胞死やインターロイキン18の分泌を開始させる。この自然免疫シグナル伝達は腸上皮細胞で独自の働きをしているので、ウイルスに対する防御の調節における標的として役立つかもしれない。
2017年6月29日号の Nature ハイライト
神経科学:空腹による感覚の偏り
構造生物学:準備万全状態のスプライソソームを可視化
光物理学:高速通信のためのエンタングルしたキューディット
材料科学:波を生み出す液晶膜
進化学:四肢類系統樹の基部がより複雑に
感染症:人獣共通感染症ウイルスの分布パターン
微生物学:模倣で広がるポックスウイルス
免疫学:パーキンソン病の免疫要因候補
免疫学:腸内ウイルスから防御するインフラマソーム
がん:転移の際に起こるリンパ管新生の画像化