Nature ハイライト
Cover Story:特集:単一細胞の生物学:細胞を1個ずつ調べて生命の謎を分析する
Nature 547, 7661
今週号のNatureでは、生命の最も基本的な要素である細胞を特集する。技術の進歩によって、以前は不可能だった単一細胞レベルでの解析が可能になってきた。その結果、複雑な生物体にはいくつの異なる種類の細胞が存在するのか、そうした細胞がどんな働きをしていて、発生の際にどのように変わっていくのかについて、図表がついに作られ始めている。News Featureでは、細胞系統をたどる研究についての考察とともに、人体のあらゆる種類の細胞の目録を作る取り組みを主導しているAviv Regevのプロフィールを紹介する。論文では、細胞分裂周期全体を通して、ゲノムがマウスの細胞の中にどのように詰め込まれているかが明らかにされており、関連するNews & Viewsでは、これがゲノムの相互作用を3Dで調べる際にどのように影響してくるかが解説されている。また、CommentではAmir GiladiとIdo Amitが、免疫細胞に焦点を絞ることで、がんなどの病気と闘う私たちの能力にどのような恩恵がもたらされる可能性があるかについて議論している。さらに、Careersのインタビューでは、単一細胞解析の領域に踏み込む理由を探り、Toolboxでは、分野の広がりに応じて発生するデータをどう調べるのが最善か考察している。(Introduction)
2017年7月6日号の Nature ハイライト
古気候学:暖水の上昇によって生じる氷床の後退
気候科学:氷の消失が生物多様性のホットスポットを脅かす
がんゲノミクス:非コード領域の乳がんドライバー変異
細胞周期:染色体構造の動的変化
生物物理学:GPCRによるGタンパク質活性化を追う
エレクトロニクス:ナノテクノロジーを使用するデータ記憶への理にかなった一歩
免疫学:T細胞受容体レパートリーの決定
免疫学:抗原特異性の予測
細胞死:化学療法が誘導する細胞死