Nature ハイライト
細胞死:化学療法が誘導する細胞死
Nature 547, 7661
化学療法の望ましくない副作用については十分に報告されているが、それらの機構については必ずしも明らかになってはいない。今回F Shaoたちは、ガスダーミンEを発現する腫瘍細胞に対して化学療法薬を投与すると、カスパーゼ-3依存的に、アポトーシスからピロトーシスへと細胞死の形態が切り替わることを明らかにしている。今回調べたヒト腫瘍細胞の多くでは、ガスダーミンEが発現していないようだが、正常組織は発現していた。この観察結果は、ガスダーミンEを発現する腫瘍の治療や、化学療法による組織損傷に意味を持つ可能性がある。
2017年7月6日号の Nature ハイライト
古気候学:暖水の上昇によって生じる氷床の後退
気候科学:氷の消失が生物多様性のホットスポットを脅かす
がんゲノミクス:非コード領域の乳がんドライバー変異
細胞周期:染色体構造の動的変化
生物物理学:GPCRによるGタンパク質活性化を追う
エレクトロニクス:ナノテクノロジーを使用するデータ記憶への理にかなった一歩
免疫学:T細胞受容体レパートリーの決定
免疫学:抗原特異性の予測
細胞死:化学療法が誘導する細胞死