Nature ハイライト
進化学:類人猿の祖先の進化
Nature 548, 7666
中新世(2300万~530万年前)の地球は「猿の惑星」であり、30以上の属の、40以上の種の類人猿が存在していた。しかし、完全な頭蓋の証拠から得られた知見は極めて少なく、顔および口蓋以外の頭蓋要素から知られている種はわずかであり、ヒト族および現生類人猿の直接的な近縁種の頭蓋の状態に関する情報は限られている。こうした情報の欠如はアフリカで特に顕著で、1400万~1000万年前の頭蓋標本は1つも知られていない。I Nengoたちは今回、ケニアで出土した類人猿の幼体の頭蓋について報告している。この標本は1300万年前のもので、ニャンザピテクス属(Nyanzapithecus)の新種とされた。今回の証拠からは、この類人猿にはテナガザル類との類似点が若干認められるが、こうした類似性は収斂によるものである可能性が高いこと、また、この新種が現生類人猿の共通祖先の近縁種であることが示された。
2017年8月10日号の Nature ハイライト
進化学:類人猿の祖先の進化
神経科学:連合記憶系の配線図
光学:例外点の例外的な光学特性
環境科学:生態系の干ばつからの回復
生態学:高次相互作用が種の多様性を維持する
人類学:青銅器時代のヨーロッパ人の遺伝的祖先
幹細胞:幹細胞発生の抑制因子
がん:がんにおける不活性型の変異型BRAF
構造生物学:タンパク質の自己集合が止まらなくなる「ホットスポット」