Nature ハイライト
環境科学:生態系の干ばつからの回復
Nature 548, 7666
干ばつは、生態系の炭素貯蔵に影響を及ぼすが、干ばつからの生態系の回復に影響を及ぼす要因はまだよく分かっていない。今回、干ばつからの総一次生産力の回復時間は、気候や炭素循環のダイナミクスと強い関連があり、生物多様性や二酸化炭素肥沃化との関連は、はるかに小さいことが見いだされた。著者たちはさらに、熱帯と北半球高緯度域で回復時間が最も長いことや、活発に回復している生態系の面積と回復時間の長さが20世紀にわたって全球で増大していることを明らかにしている。将来、干ばつがより頻繁に起こるようになれば、回復が不完全な状態が慢性的になり、陸域の炭素シンクに悪影響を及ぼす可能性がある。
2017年8月10日号の Nature ハイライト
進化学:類人猿の祖先の進化
神経科学:連合記憶系の配線図
光学:例外点の例外的な光学特性
環境科学:生態系の干ばつからの回復
生態学:高次相互作用が種の多様性を維持する
人類学:青銅器時代のヨーロッパ人の遺伝的祖先
幹細胞:幹細胞発生の抑制因子
がん:がんにおける不活性型の変異型BRAF
構造生物学:タンパク質の自己集合が止まらなくなる「ホットスポット」