Nature ハイライト
生態学:高次相互作用が種の多様性を維持する
Nature 548, 7666
自然界に見られる驚異的な生物多様性がどのように維持されているのかは、生態学における核心となる問題である。競争者間の相互作用という単純なモデルでは、非常に大きな生態学的群集の安定な持続性を再現できず、一方で、種が相互作用せず、多様性が移入と種分化により維持されるという中立モデルでは、個体数の変動は非現実的なほど小さくなる。今回S Allesinaたちは、競争ネットワークモデルを用いて、1つの種の存在が他の種間の相互作用に影響を及ぼすという高次相互作用が、非常に多様な群集の持続を可能にすることを示している。この作用は、種の個体数とアイデンティティーが固定された閉鎖系と、移入と種分化によって新たな種を得るという、より現実的な開放系の両方で成り立つ。
2017年8月10日号の Nature ハイライト
進化学:類人猿の祖先の進化
神経科学:連合記憶系の配線図
光学:例外点の例外的な光学特性
環境科学:生態系の干ばつからの回復
生態学:高次相互作用が種の多様性を維持する
人類学:青銅器時代のヨーロッパ人の遺伝的祖先
幹細胞:幹細胞発生の抑制因子
がん:がんにおける不活性型の変異型BRAF
構造生物学:タンパク質の自己集合が止まらなくなる「ホットスポット」