Nature ハイライト
植物進化学:色を生む規則的な不規則性
Nature 550, 7677
自然界は、境界がやや曖昧なことが常であるが、その曖昧さには目的がある。多くの花は、花弁の表面に筋や隆線があり、それらが光を散乱させる。しかし、そうした隆線の列は、必ずしも厳格に規則正しく並んでいるわけではない。今回B Gloverたちは、調べた全ての顕花植物で花弁にそのような筋のあるものには、もれなく同程度の不規則性が見られることを発見した。こうした不規則性が花弁の周囲に「青い光輪」を作り出し、花粉媒介者を引きつけるのである。著者たちは、昆虫などの動物が花粉を媒介する全ての顕花植物において、同様な不規則性が生じているが、動物が花粉を媒介しない最も原始的な花には、こうした規則的な不規則性は存在しないらしいことを見いだしている。
2017年10月26日号の Nature ハイライト
植物進化学:色を生む規則的な不規則性
炎症:皮膚細胞が追い打ちをかける
創薬:阻害物質の妨害は腫瘍に有害
物性物理学:二次元の構造のスイッチング
ナノスケールデバイス:ミリ秒の分解能で細胞の質量を測定する
進化学:「雑踏した堤」を解き明かす
疫学:マラリアのメタ解析
がん:扁平円柱境界の細胞が食道がんにつながる
生物物理学:結合相手と遭遇するホットスポット