Nature ハイライト
ナノスケールデバイス:ミリ秒の分解能で細胞の質量を測定する
Nature 550, 7677
今回、培養条件下の接着細胞の質量を、ミリ秒の時間分解能とピコグラムの質量感度で測定する方法が報告されている。この方法には、マイクロカンチレバーが用いられており、その一方の端を光学的に励起することで微小振動が生成される。カンチレバーの反対側の端部に細胞を付着させるとカンチレバーの振動が変化し、この変化を赤外レーザーで読み取ることで細胞質量が測定される。著者たちは、細胞質量が変動していることを見いだし、細胞質量変動を特定の細胞機能と関連付けることを初めて試みた。例えば、細胞周期を通して観測された細胞の質量変動を、分析中のその細胞の摂動を介してATP合成や水輸送と関連付けた。また、今回の手法で、ワクシニアウイルスに感染させると細胞の成長は止まるが、高速質量変動は細胞死に至るまで続くことも見いだされた。
2017年10月26日号の Nature ハイライト
植物進化学:色を生む規則的な不規則性
炎症:皮膚細胞が追い打ちをかける
創薬:阻害物質の妨害は腫瘍に有害
物性物理学:二次元の構造のスイッチング
ナノスケールデバイス:ミリ秒の分解能で細胞の質量を測定する
進化学:「雑踏した堤」を解き明かす
疫学:マラリアのメタ解析
がん:扁平円柱境界の細胞が食道がんにつながる
生物物理学:結合相手と遭遇するホットスポット