Nature ハイライト

ナノスケールデバイス:ミリ秒の分解能で細胞の質量を測定する

Nature 550, 7677

今回、培養条件下の接着細胞の質量を、ミリ秒の時間分解能とピコグラムの質量感度で測定する方法が報告されている。この方法には、マイクロカンチレバーが用いられており、その一方の端を光学的に励起することで微小振動が生成される。カンチレバーの反対側の端部に細胞を付着させるとカンチレバーの振動が変化し、この変化を赤外レーザーで読み取ることで細胞質量が測定される。著者たちは、細胞質量が変動していることを見いだし、細胞質量変動を特定の細胞機能と関連付けることを初めて試みた。例えば、細胞周期を通して観測された細胞の質量変動を、分析中のその細胞の摂動を介してATP合成や水輸送と関連付けた。また、今回の手法で、ワクシニアウイルスに感染させると細胞の成長は止まるが、高速質量変動は細胞死に至るまで続くことも見いだされた。

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