Nature ハイライト
構造生物学:グルカゴン受容体が作る複合体の構造
Nature 553, 7686
グルカゴン受容体はクラスBのGタンパク質共役受容体で、グルコース恒常性に重要な役割を担っている。この受容体の活性化はグルコースの放出を引き起こすので、グルカゴン受容体は2型糖尿病を治療する際の重要な標的となっている。B Wuたちは今回、完全長グルカゴン受容体について、グルカゴン類似体で部分アゴニストのNNC1702と結合した状態の結晶構造を報告している。3.0 Åという分解能で得られた構造から、ペプチドリガンドがその標的と相互作用する仕組みと活性化の最初の段階に含まれるコンホメーション変化についての重要な手掛かりがもたらされた。この構造データは、電子–電子二重共鳴(DEER)分光法を用いることでさらなる裏付けが得られ、グルカゴン類似体を取り込む際に起こる再配置の範囲が示された。
2018年1月4日号の Nature ハイライト
気候科学:過去の海水温を再構築する
進化発生生物学:神経系の収斂進化
天文学:初期宇宙の大質量銀河
量子物理学:第四の次元に拡張される量子ホール
材料科学:2D多接合ヘテロ構造体のワンポット合成
ウイルス学:SIVの霊長類モデルのゲノム
植物科学:寄生植物におけるmiRNAの働き
がん:がん細胞は老化を回避する
構造生物学:グルカゴン受容体が作る複合体の構造
構造生物学:補体受容体の構造