Nature ハイライト

植物科学:寄生植物におけるmiRNAの働き

Nature 553, 7686

ネナシカズラは寄生植物であり、吸器と呼ばれる構造を通じて水や栄養を宿主植物の茎から得ており、タンパク質やmRNAなどの物質を宿主と交換している。M Axtellたちは今回、ネナシカズラの吸器が、その寄生をどのように仲介しているかについて報告している。ネナシカズラは宿主植物への寄生時に、吸器に多くのマイクロRNA(miRNA)を蓄積する。その後、これらのmiRNAは宿主へと移動し、そこで二次的な短鎖干渉RNAの産生およびmRNAの切断を介して標的mRNAをサイレンシングするらしいことが分かった。著者たちは、ネナシカズラのmiRNAが標的とする宿主側のタンパク質も明らかにしており、また、miRNAの種間移動を介したこのような宿主遺伝子の発現調節が、1つの宿主に対してだけ起こっているわけではない証拠を提示している。

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