Nature ハイライト
植物科学:寄生植物におけるmiRNAの働き
Nature 553, 7686
ネナシカズラは寄生植物であり、吸器と呼ばれる構造を通じて水や栄養を宿主植物の茎から得ており、タンパク質やmRNAなどの物質を宿主と交換している。M Axtellたちは今回、ネナシカズラの吸器が、その寄生をどのように仲介しているかについて報告している。ネナシカズラは宿主植物への寄生時に、吸器に多くのマイクロRNA(miRNA)を蓄積する。その後、これらのmiRNAは宿主へと移動し、そこで二次的な短鎖干渉RNAの産生およびmRNAの切断を介して標的mRNAをサイレンシングするらしいことが分かった。著者たちは、ネナシカズラのmiRNAが標的とする宿主側のタンパク質も明らかにしており、また、miRNAの種間移動を介したこのような宿主遺伝子の発現調節が、1つの宿主に対してだけ起こっているわけではない証拠を提示している。
2018年1月4日号の Nature ハイライト
気候科学:過去の海水温を再構築する
進化発生生物学:神経系の収斂進化
天文学:初期宇宙の大質量銀河
量子物理学:第四の次元に拡張される量子ホール
材料科学:2D多接合ヘテロ構造体のワンポット合成
ウイルス学:SIVの霊長類モデルのゲノム
植物科学:寄生植物におけるmiRNAの働き
がん:がん細胞は老化を回避する
構造生物学:グルカゴン受容体が作る複合体の構造
構造生物学:補体受容体の構造