Nature ハイライト

構造生物学:補体受容体の構造

Nature 553, 7686

補体系は自然免疫応答の中心的な部分として働き、感染に対する基本的な防御機構となっている。C5aは補体系の活性化によって生じる成分で、炎症性メディエーターとしてGタンパク質共役受容体(GPCR)であるC5aR1受容体と相互作用する。そのため、C5aR1の阻害剤は敗血症、乾癬、関節リウマチなどでの抗炎症治療薬となる。今回F Marshallたちは、低分子アンタゴニストと結合した補体C5a受容体の結晶構造を報告している。この構造から、この種の受容体についての分子レベルの知見が得られ、これらを治療標的とするよりよい方法が示唆された。最近報告されている他のGPCRの構造と同様に、リガンドは膜貫通ヘリックスが作るバンドルの外側のアロステリック部位であるポケットに結合する。この研究はまた、ヒトと齧歯類の受容体の薬理学的性質の違いも説明している。

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