Nature ハイライト
神経科学:フェレットでより良い脳発生モデルを作る
Nature 556, 7701
ヒトの大脳皮質発生に関わる遺伝子群は、小頭症患者の研究から見つかってきた。しかし、皮質がはるかに小さいマウスモデルでのこれらの遺伝子の研究から得られる手掛かりは限られている。今回C Walshたちは、マウスよりはるかに大きい皮質を持ち顕著な脳のしわが見られるフェレットで、小頭症で最も一般的な劣性(潜性)遺伝子ASPMのノックアウト個体をゲノム編集により作り出した。ASPMノックアウト個体では、皮質表面積が著しく減少しており、これは発生中に未分化な前駆細胞が移動したためであるようだ。この小頭症フェレットモデルは、マウスモデルよりも、ヒト疾患で観察されるものをよりよく模倣しており、ヒトの皮質拡大の機構に関するより良い手掛かりが得られるだろう。
2018年4月19日号の Nature ハイライト
核物理学:原子核時計の中の歯車
神経科学:免疫記憶が脳疾患を変化させる
ゲノミクス:パン酵母のゲノム進化
工学:論理デバイスとメモリーデバイスをつなぐ光
ナノスケール材料:多種類の二次元金属カルコゲニドを作る
進化学:大きくなり過ぎた生殖器で危機に瀕した貝形虫類
神経科学:フェレットでより良い脳発生モデルを作る
細胞生物学:Pelotaタンパク質がリボソームを救済する
構造生物学:INO80によるクロマチンリモデリングを見る