Nature ハイライト
ナノスケール材料:二次元ヘテロ界面に挿入されたリチウムの測定
Nature 558, 7710
層状材料へのイオンの電気化学的インターカレーションは、電池のグラファイトアノードをはじめ、さまざまなエネルギー貯蔵技術に不可欠である。しかし、インターカレーションによる電荷貯蔵容量の測定は、バルク材料で行われことが多く、そうした測定ではインターカレーション反応と巨視的な輸送や副反応が区別されない可能性がある。今回P Kimたちは、グラフェン、六方晶窒化ホウ素、モリブデンジカルコゲニド(MoX2)のホモ構造体とヘテロ構造体へのリチウムインターカレーションを原子レベルで比較している。透過型電子顕微鏡法とホールボルタンメトリーと呼ばれる新しい方法を用いることで、著者たちは、個々の二次元ヘテロ界面においてリチウムインターカレーション容量を分離し、グラフェン/MoX2ヘテロ界面がMoX2/MoX2ホモ界面の10倍以上の電荷を貯蔵することを見いだしている。
2018年6月21日号の Nature ハイライト
古生物学:新たな真獣類化石と系統発生から明らかになった有胎盤類と有袋類の分岐
構造生物学:ミトコンドリア上の受容体へのDRP1結合の構造基盤
天文学:ミッシングバリオンの発見
ナノ科学:鏡面散乱による驚異的な気体輸送
ナノスケール材料:二次元ヘテロ界面に挿入されたリチウムの測定
神経科学:睡眠の仕組み
DNA損傷:太陽光を遮蔽して造血幹細胞を守る
幹細胞:大腸の幹細胞ニッチを明らかにする
構造生物学:アセチルCoAカルボキシラーゼのアロステリック調節