Nature ハイライト
DNA損傷:太陽光を遮蔽して造血幹細胞を守る
Nature 558, 7710
造血幹細胞は、保護された微小環境に存在している。このようなニッチは種によって存在する場所が異なり、シグナルを発して造血幹細胞の静止状態や増殖を調節している。進化の過程で、造血幹細胞がどうしてそのような明確に異なる特定の微小環境を必要とするようになったのかは分かっていない。今回L Zonたちは、ゼブラフィッシュでは腎髄質の中に存在する造血幹細胞のニッチが、メラノサイトの傘で覆われており、紫外光によって誘発されるDNA損傷から保護されていることを見いだした。彼らは他の複数の水生動物でも同様の傘の存在を観察しており、陸上生活に移行する際に、紫外光が造血幹細胞を骨髄の中へと移動させ、そこが陸生脊椎動物の造血幹細胞の主要なニッチになったのではないかと提案している。
2018年6月21日号の Nature ハイライト
古生物学:新たな真獣類化石と系統発生から明らかになった有胎盤類と有袋類の分岐
構造生物学:ミトコンドリア上の受容体へのDRP1結合の構造基盤
天文学:ミッシングバリオンの発見
ナノ科学:鏡面散乱による驚異的な気体輸送
ナノスケール材料:二次元ヘテロ界面に挿入されたリチウムの測定
神経科学:睡眠の仕組み
DNA損傷:太陽光を遮蔽して造血幹細胞を守る
幹細胞:大腸の幹細胞ニッチを明らかにする
構造生物学:アセチルCoAカルボキシラーゼのアロステリック調節