Nature ハイライト
構造生物学:ミトコンドリア上の受容体へのDRP1結合の構造基盤
Nature 558, 7710
ミトコンドリアは、絶えず分裂と融合を行っている。このような過程は、この細胞小器官の機能、ひいては生物の全般的な健康にとって重要である。ミトコンドリアの分裂は、酵素のDRP1やミトコンドリアにあるその受容体タンパク質のMID49やMID51などによって行われる。A Frostたちは今回、クライオ(極低温)電子顕微鏡を使って、ミトコンドリアにあるこのような受容体がヒトDRP1を誘導し制御する仕組みを調べた。まず、ヌクレオチドGTPが完全長DRP1のコンホメーションを変化させ、それがDRP1とMID49やMID51の結合を促進する。次いで、GTPの加水分解と交換が起こり、それがMID受容体の解離につながり、DRP1多量体が湾曲して環を形成することが分かった。これは、膜の切り離しの際にDRP1が果たす役割と一致している。
2018年6月21日号の Nature ハイライト
古生物学:新たな真獣類化石と系統発生から明らかになった有胎盤類と有袋類の分岐
構造生物学:ミトコンドリア上の受容体へのDRP1結合の構造基盤
天文学:ミッシングバリオンの発見
ナノ科学:鏡面散乱による驚異的な気体輸送
ナノスケール材料:二次元ヘテロ界面に挿入されたリチウムの測定
神経科学:睡眠の仕組み
DNA損傷:太陽光を遮蔽して造血幹細胞を守る
幹細胞:大腸の幹細胞ニッチを明らかにする
構造生物学:アセチルCoAカルボキシラーゼのアロステリック調節