Nature ハイライト
神経科学:睡眠の仕組み
Nature 558, 7710
哺乳類では、睡眠・覚醒のサイクルは不断の睡眠恒常性動因により駆動されており、睡眠要求と睡眠確保は常に変動してバランスを維持している。しかし、この睡眠恒常性を監視し、調節する仕組みについての分子的基盤についてはほとんど分かっていない。柳沢正史と船戸弘正(筑波大学ほか)たちは今回、睡眠要求について異なるマウスモデルを調べ、リン酸化プロテオームを比較して、睡眠要求に関係すると思われる分子的シグナル伝達の違いを明らかにした。彼らは、睡眠要求に従ってリン酸化状態が変化する80種類の候補タンパク質群を特定した。これらの候補タンパク質の多くはシナプスに存在することから、これらのタンパク質のリン酸化状態の調節が、シナプス恒常性と睡眠・覚醒恒常性の両方における調節機構の1つである可能性が示された。
2018年6月21日号の Nature ハイライト
古生物学:新たな真獣類化石と系統発生から明らかになった有胎盤類と有袋類の分岐
構造生物学:ミトコンドリア上の受容体へのDRP1結合の構造基盤
天文学:ミッシングバリオンの発見
ナノ科学:鏡面散乱による驚異的な気体輸送
ナノスケール材料:二次元ヘテロ界面に挿入されたリチウムの測定
神経科学:睡眠の仕組み
DNA損傷:太陽光を遮蔽して造血幹細胞を守る
幹細胞:大腸の幹細胞ニッチを明らかにする
構造生物学:アセチルCoAカルボキシラーゼのアロステリック調節