Nature ハイライト
天文学:ミッシングバリオンの発見
Nature 558, 7710
宇宙で観測されている全てのバリオンの数は、ビックバン時の元素合成から予想されるバリオンの数に比べて30~40%ほど少ない。理論的予測によると、これらのミッシングバリオンは、「中高温銀河間物質」と呼ばれる銀河間の電離ガス中に存在するはずである。しかし、このガスの主成分である水素を見ることは非常に難しい。今回F Nicastroたちは、遠方のクエーサーと地球の間にある2つのガス塊内の高電離酸素の吸収体を観測した。それらのガス塊は、銀河の密度超過領域にある。吸収線の深さや銀河の数は中高温銀河間物質に対する理論予測と一致するため、ミッシングバリオンが見つかったと結論付けられる。
2018年6月21日号の Nature ハイライト
古生物学:新たな真獣類化石と系統発生から明らかになった有胎盤類と有袋類の分岐
構造生物学:ミトコンドリア上の受容体へのDRP1結合の構造基盤
天文学:ミッシングバリオンの発見
ナノ科学:鏡面散乱による驚異的な気体輸送
ナノスケール材料:二次元ヘテロ界面に挿入されたリチウムの測定
神経科学:睡眠の仕組み
DNA損傷:太陽光を遮蔽して造血幹細胞を守る
幹細胞:大腸の幹細胞ニッチを明らかにする
構造生物学:アセチルCoAカルボキシラーゼのアロステリック調節