Nature ハイライト
微生物学:グラム陽性細菌に見られる独特な細胞外電子伝達
Nature 562, 7725
細胞外電子伝達(EET)は微生物で見られる生体電気化学過程で、電子が細胞質から細胞外へと伝達され、電子を受け取るのは固体の細胞外基質であることが多い。EETは主に環境微生物で見つかっており、この過程によって鉄がさびたりすることがある。今回D Portnoyたちは、ヒトの病原体であるリステリア菌(Listeria monocytogenes)がEETを行っていて、これが非発酵性炭素源を使う増殖を助けており、マウス消化管という嫌気的環境中でリステリア菌が優位に生存できるようにしていることを明らかにした。この研究によってEET過程を担う8個の遺伝子からなる座位が突き止められ、特徴が調べられた。この座位は他の数百種ものグラム陽性菌に存在しており、これらの生物もEETを行う能力を持つと考えられる。
2018年10月4日号の Nature ハイライト
気候変動生態学:温暖化した世界のツンドラでは植物の高さが増加する
神経免疫学:ナルコレプシーの病因におけるヒポクレチン特異的なCD4およびCD8細胞
医学研究:原発性肝臓がんの発生
生化学:転写因子とヌクレオソームとの多様な相互作用
フォトニクスデバイス:通信帯域において例外点周りを回る
応用光学:ニオブ酸リチウム電気光学変調器を進歩させる
生態学:暖かい春の影響
神経科学:線虫におけるDEETの作用機構
神経科学:ここはどこ?
メカノバイオロジー:灌流と機械的刺激が肝臓でのアンジオクラインシグナル伝達の引き金を引く
微生物学:グラム陽性細菌に見られる独特な細胞外電子伝達