Nature ハイライト
がん:BRCA1バリアントを分類する
Nature 562, 7726
生殖細胞系列のBRCA1機能喪失型バリアントは、早発性の乳がんや卵巣がんになりやすい傾向(素因)と関連付けられている。J ShendureとL Staritaたちは今回、遺伝子バリアントの働きの解明を助けるために、BRCA1バリアントの機能的評価を行った。彼らはまず、BRCA1の機能に重要なRINGドメインとBRCTドメインをコードする13種のエキソンで、一塩基バリアント群の飽和ゲノム編集実験を行った。そして、塩基配列解読と細胞適応度アッセイを組み合わせて、機能を持つバリアントを判別し、BRCA1中の標的となったエキソン内のおよそ4000の一塩基バリアントに対する機能スコアを算定した。その結果、計算予想との相関が明らかになり、また専門家によってまとめられた病因性バリアントか良性のバリアントかという判別結果(ClinVarデータベースの情報)とも高レベルで一致することが分かった。また、臨床的塩基配列研究ではまだ公式に報告されていない3140のバリアントも見つかり、これらについても機能的分類が行われている。
2018年10月11日号の Nature ハイライト
がん:BRCA1バリアントを分類する
発生生物学:内皮細胞の補完的な供給源
天文学:ここにもあそこにも、至る所にあるライマンα放射
計算機科学:滑空を学習する
量子物理学:もう1つの種類の電子雑音
オプトエレクトロニクス:ペロブスカイトLEDをディスプレイや照明に
遺伝学:まれな神経発達障害のリスクはありふれた遺伝的変動の影響を受ける
発生生物学:in vitroでのHoxの共線性
生化学:リングヌクレアーゼはIII型CRISPRエフェクターを抑制する
分子生物学:scMNase-seq法を使って明らかになったヌクレオソームポジショニングの状況とクロマチンへの到達性
構造生物学:MBOATの1つの構造