Nature ハイライト
神経科学:脊髄損傷後の歩行の回復
Nature 563, 7729
脊髄損傷は、重篤な歩行障害あるいは脚の完全麻痺にさえつながる。G Courtineたちは今回、脊髄損傷患者が歩行リハビリテーションを行うための新たな技術を開発した。この技術ではまず、歩行中に通常活性化される筋肉群を動員する脊髄領域への電気刺激の空間パターンを特定し、その後、意図する動作にタイミングを合わせて目的の領域へ刺激を送る。被験者はリハビリテーションの後、それまで麻痺していた筋肉の制御能を取り戻し、トレッドミル上で疲労することなく歩行したり、自然な状況でもしっかりと歩行したりできるようになった。この技術は、脊髄損傷後の機能回復に向けたこれまでの試みを大きく前進させるものだ。
2018年11月1日号の Nature ハイライト
量子物理学:運動を測定し制御する
人間行動学:AIが抱える道徳的ジレンマ
神経科学:脊髄損傷後の歩行の回復
電子工学:思ったより簡単な高周波数データリンク上での盗聴
化学:塩基を用いない鈴木–宮浦カップリング
神経科学:運動を計画中の脳
神経科学:師匠に学ぶ
微生物学:ブルース・トリパノソーマの抗原変異の制御
生物学的手法:神経系統に関わる胚盤胞補完法は前脳器官形成研究を可能にする
構造生物学:エボラウイルス核タンパク質–RNA複合体のクライオ電子顕微鏡構造