Nature ハイライト
神経科学:運動を計画中の脳
Nature 563, 7729
小脳は運動の協調と学習に関わる脳構造だが、認知過程にも関与する。今回N Liたちは、大脳前頭皮質での持続的な情報表現が小脳に依存していることを示している。マウスにおいて内側深部小脳核を一過的に擾乱すると、運動を実行する能力には影響せずに、記憶課題の次の応答の正確さが低下した。次に起こす運動の準備に関係した活動は、運動の開始数秒前に前頭皮質と小脳核の両方で観察され、両領野の活動は互いの活動に依存していた。これらの知見は、運動計画中の持続的な神経動態は、複数の脳領域が関わる神経回路によって維持されるとする見解を支持する。
2018年11月1日号の Nature ハイライト
量子物理学:運動を測定し制御する
人間行動学:AIが抱える道徳的ジレンマ
神経科学:脊髄損傷後の歩行の回復
電子工学:思ったより簡単な高周波数データリンク上での盗聴
化学:塩基を用いない鈴木–宮浦カップリング
神経科学:運動を計画中の脳
神経科学:師匠に学ぶ
微生物学:ブルース・トリパノソーマの抗原変異の制御
生物学的手法:神経系統に関わる胚盤胞補完法は前脳器官形成研究を可能にする
構造生物学:エボラウイルス核タンパク質–RNA複合体のクライオ電子顕微鏡構造