Nature ハイライト
合成生物学:コドンを3つ減らして61通りに
Nature 569, 7757
タンパク質をコードするゲノム領域は、その塩基配列がRNAポリメラーゼによってメッセンジャーRNAに転写され、次にタンパク質に翻訳される。このようなリーディングフレームは開始コドンの位置で規定される。しかし、各アミノ酸に対応するコドン(3塩基暗号)は複数あり、また翻訳を終結させる終止コドンも3通りある。この冗長性は生物の翻訳に広く見られる固有の性質である。J Chinたちは今回、大腸菌(Escherichia coli)の全ゲノムを再コード化して、2通りのセンスコドンと1通りの終止コドンを除去した。この研究は、技術的には、これまでの再コード化の試みを超えるもので、実質的には、同義コドンの完全な圧縮が可能であることを立証している。将来的には、このような置換されたコドンを用いて非天然型アミノ酸をコードできるようになるかもしれない。
2019年5月23日号の Nature ハイライト
発生生物学:細胞競合が皮膚形成を可能にする
がんゲノミクス:次世代CCLEデータベース
化学生物学:光でタンパク質を制御する
合成生物学:コドンを3つ減らして61通りに
物性物理学:室温超伝導へ向けて
量子物理学:シリコンキュービットによる論理演算のベンチマーキング
物理化学:氷をゆっくり圧縮する
大気科学:中国東部からのCFC-11排出量の増大
細胞生物学:血管内皮を通り抜ける低密度リポタンパク質の輸送
がんの代謝:がんで見られるNAD代謝の2つの様式