Nature ハイライト
物性物理学:室温超伝導へ向けて
Nature 569, 7757
低温で電気抵抗がなくなる物質は1世紀以上前に発見されたが、液体窒素の沸点以上でそのような超伝導挙動が観測され、多くの応用が容易になって初めて、室温超伝導体を実現できる可能性があると思われるようになった。最近では、高温超伝導体の探求は、水素系化合物に超高圧をかけることに向けられている。今回M Eremetsたちは、高圧下の水素化ランタンが、これまでの最高記録である硫化水素の203 Kより約50 K高い250 K、つまり−23°Cで超伝導を示すことを明らかにしている。他の水素化物がさらに高い温度で超伝導を示すことが予測されており、水素化物系に関する知見は大気圧での高温超伝導体を探索する指針として役立つ可能性がある。
2019年5月23日号の Nature ハイライト
発生生物学:細胞競合が皮膚形成を可能にする
がんゲノミクス:次世代CCLEデータベース
化学生物学:光でタンパク質を制御する
合成生物学:コドンを3つ減らして61通りに
物性物理学:室温超伝導へ向けて
量子物理学:シリコンキュービットによる論理演算のベンチマーキング
物理化学:氷をゆっくり圧縮する
大気科学:中国東部からのCFC-11排出量の増大
細胞生物学:血管内皮を通り抜ける低密度リポタンパク質の輸送
がんの代謝:がんで見られるNAD代謝の2つの様式