Nature ハイライト

物理化学:氷をゆっくり圧縮する

Nature 569, 7757

以前、通常の水氷から高密度非晶質氷(HDA)への低温での圧力誘起変換が、熱力学的な融解として合理的に説明され、それを機に、水の多くの異常性を説明するために深過冷却領域における2種類の液体水の存在を前提とした、議論の多い水モデルが提唱された。今回C Tulkたちは、氷の圧縮を十分ゆっくり行うと、一連の結晶氷相が順次形成されることを示している。今回の観察結果は、機械的不安定性や、再結晶化を妨げる遅い速度論的動態に起因してHDAが形成されるという見解を裏付けており、非晶質氷と過冷却液体水を関連付ける理論に疑問を投げ掛けている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度